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週明けの月曜日。私はずっとふわふわとした状態が続いている。
結局、あのあと夢乃くんは「ごめん。晩ごはんはまた今度」と男の子とどこかに行ってしまった。
なんだかすごく慌ててた。
夢乃くんの友達だったんだろうか?
「夢乃くーん」
校門を抜けるとすぐに聞こえる女の子たちの声。それはまるで夢乃くんの居場所を知らせる探知機のようで、近くにいるんだなって知らせてくれる。
女の子たちが群がる中で、いつもなら笑いかけるぐらいはするのに今日の夢乃くんはしない。
それどころか、ちょっと不機嫌そう。
夢乃くんはそのまま下駄箱まで歩いてきて、そこで鉢合わせになった。
「……おはよ、瑠花」
「おはよう……ございます」
やっぱりいつもの夢乃くんじゃない。
「ど、どうしたんですか?なんか元気がないような」
「え、そう?べつに普通だけど」
そう言われてしまうとそれ以上心配できなくなる。