「ごめん。大袈裟に言いすぎた」

夢乃くんが申しわけなさそうに眉を下げる。

そんな顔をされたら怒るどころか、むしろ夢乃くんに支えられているこの体勢がツラい。

なんだか周りの人にジロジロと見られているし、もう私はこのまま石像になるんじゃないかってぐらい硬直中。


「それって部屋着?意外に可愛いの着てるんだね」

意外という言葉にムッとして、私はその勢いで夢乃くんを引き離した。


「用がないなら帰らせていただきます!」

眼鏡をクイッと上げて立ち去ろうとすると再び夢乃くんの手が伸びてきた。


「ま、待って!困ってるのは本当なんだけど」

「……?」