毎日イライラしてた。
なにに対してかと聞かれてもよく分からない。
「夢乃、また東中のヤツらとやりあったらしいな」
夜中の12時。いつものバッティングセンターにいると自然といつもの仲間たちが集まってくる。
「なんだ、音弥もきたんだ」
音弥は仲間たちの中でも群を抜いて強い。本当はこうして大勢でつるむことは好きじゃないらしく、バッティングセンターに来ても俺としか喋らない。
本当はシャイか、それとも友達作りが下手くそか、はたまた俺のことが好きなのか。
想像したら気持ち悪いからやめておこう。
「次は俺も誘えよな」
音弥はただのケンカ好き。
俺はべつに好きじゃない。
「ケンカを売られたから買っただけだよ」
ストレス社会だからかな。なんだか街を歩くだけで絡まれるし、生意気だって言われる。
だから俺もムカつく。
ケンカも物を壊すのもストレス発散。そこに意味なんてない。