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ピンポーンと鳴らしたのはマンションのインターホン。
ここまでどうやって来たか記憶が曖昧だけど夢乃くんが『おいで』と言ってくれて気づけば家までたどり着いていた。
「いらっしゃい」
夢乃くんはすぐにドアを開けてくれた。
夢乃くんも寝る前だったのか服は上下のスウェットを着ていて、髪の毛はいつもより下にさがっている。
自分で会いたいと言ったくせに夢乃くんの顔を私はまともに見ることができなかった。
「……お邪魔します」
夢乃くんが支えてくれていたドアを通るとガチャッと夢乃くんはカギを閉めて、それだけで心臓が速くなってしまった。
リビングは相変わらず広くて、ガラス張りの窓からは高層ビルの夜景が見えた。
まるで異世界に来てしまったように足が浮く。
「カフェオレでも飲む?」
「い、いただきます」
キッチンに立つ夢乃くんをチラチラと見ながら私はソファーではなく床に座っていた。
勢いで夢乃くんの家に来てしまったけど迷惑じゃないだろうか。
いや、だってもう11時だよ。こんな夜に押しかけるなんて私のバカ、バカ……っ!
「はい」
私が猛烈に反省してる間にカフェオレが完成して、夢乃くんは手渡してくれた。