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次の日。お弁当作りなどの作業をひと通り終えた私は学校へと向かう。その途中でスマホを開いて右京さまに朝の挨拶。

親密度のパロメーターは下がってないし、乙ゲーへの愛も変わってない。

なのに最近は前よりときめく回数が減った。


『瑠花、こっちに来いよ』

『俺に逆らっていいと思ってんの?』

『お前のことは俺が守ってやる』

飛び跳ねて喜んだそれらのセリフ。


どうしてときめきが減ったのか。なぜドキドキしなくなったのか。

考えてみれば右京さまが言ってくれるセリフは夢乃くんが言いそう、もしくは言ったことがあることばかりで……。

リアルで体験してしまった私はゲームでのセリフに免疫がついてしまったのだ。

まずい。これでは私の生き甲斐がなくなる。

いや、命の次に大切な右京さまへの想いが薄れてしまう……!