近所にあるファストフード店。


目線の先にあるクリームソーダのクリームをストローで撫でる。


クリームソーダの味を覚えたのは、中学の頃。こんな美味しいものが世の中にあるんだって感動したのをよく覚えている。


当時は外食なんて、お金のない私はほとんどしなかったし、その時は、休みの日に友達と半分こしてもらったんだっけ。


「美味しいよね〜クリームソーダ」


「えっ、」


目の前の里菜さんも、私と同じクリームメロンソーダを注文したんだ。


「うちの家厳しくてさ〜学校の友達はよくこうやって放課後お店によったりしてたんだけど私は一切やったことなくって」


「…そう…なんですか」


私と似たような経験をした人がいるんだって、ちょっと安心した。


私の家だけが変わってるわけじゃない。