2つのベッドの間にある机には、明らかに物が散乱していた。
まだ半分くらい残っているウィスキーも置いてある。
窓の外は暗い。
どうやら今は夜のようだ。
窓の下には、小さなタンスが一つあった。
二番目の引き出しから、服が飛び出している。
…タンスの上には、黒い毛のネコがいた。
…ネコ?
「にゃー」
僕の目を見つめながら、そう鳴き声を出した後、そのネコは僕の体の上へとぴょんと跳んできた。
「ダメよっ、ロン!その人はケガしているんだから」
…15、6歳だろうか。
僕と同じくらいの年齢の女の子が、扉を開けて、部屋に入ってきた。
肩まであるまっすぐな髪も、大きくきれいな瞳も、茶色だ。
「目が覚めたのね。ご飯を持ってきたわ」と、その女の子は僕に言った。