よく晴れた日だった。
ぼくは花飾りを作っていた。
公園にたくさん咲いている花を集めて、ちょうど頭にすっぽりはまるくらいの輪を、せっせとこしらえている。
「ちょっと待っててね、ビアン」とお母さんは言った。
「うん」
さっきから、ぼくのお母さんは、カステラのお母さんと長々と世間話をしていた。
朝、市場へ買い物に行った帰りに、この公園の前でばったり会ったのだ。
ぼくは荷物持ちとして、お母さんの買い物について行った。
ぼくはもう9歳だし、そのくらいのお手伝いはできる。
やっと花飾りは完成した。
自分の頭に乗せてみた。
…うん、ぴったりだ。
お母さん達は、まだ夢中でお話をしている。
もう30分は経っているはずだ。