ジャロは僕の後ろから、
「いいところでしょ?」と訊いてきた。
「うん」と僕は言った。
…本当にいいところだ。
丘の上に行くには、坂を登る。
さすがに2人乗りはキツいので、自転車を押して歩いた。
丘の上には教会があった。
そこにたどり着いた時には、僕の白いTシャツは汗で濡れていた。
「神父さん、まだ寝てるかなあ?」とジャロは言って、正面の扉のドアノブを回した。
…ガチャリ。
開いた。
ジャロはそのまま中へと入っていったので、僕も自転車を置いて、ついて行った。
広い聖堂だった。
50以上の長椅子が、整然と並んでいる。
高い天井には、様々な色のガラスが散りばめられていた。