その後、ジャロは果物をナイフで切ってくれた。
ジャロの話では、僕はジャロに発見された3日前から、ずっと寝ていたらしい。
それを聞くと、急にお腹が空いてきて、果物がとてもおいしく感じられた。
しばらく話をした後、ジャロは「今日は疲れたからもう寝るわ」と言って、部屋から出て行った。
…僕はまた眠ろうとしたが、眠れなかった。
立ち上がり、窓の外に流れている河を見つめながら、記憶の糸を探っていた…。
次の日の朝早く、部屋に街の医者が訪ねてきた。
3日前、僕がここに運ばれてきた時、この医者が手当てをしてくれたらしい。
医者は、僕の症状を診て、驚いていた。
記憶を失ったことにではない…。
もうすでに、体の傷がほとんど治りかけているということにだ。