緊張気味を装って言う。私が学園内で愛梨達に関わることなんて一切ないんだもん。

「さあ、手を握って」

右手はえりかが掴んでいるから、私は左手を愛梨と繋いだ。

「Teleport」

愛梨が小さく呟き、そして私達が光に包まれる。その瞬間、光とともに私達は観客席から消えていた。


「はあ。助かりましたわ、白柳さん」

「お互い、苦労するわね。この肩書きのお陰で」

クスクス笑い合う2人。ま、そりゃそうか。えー、私達は愛梨の魔法により中庭に来ております!

「あら?足立さんはどうされたんですの?」

「え?ああ奈々のことね。花恋に預けたわ。その後澪が見てくれるって言っていたし」