「そうか。えりか、くれぐれも気をつけてくれ」

「分かっていますわ」

何を気をつけるんだろう?別に気にならないけど。

「帰っていいぞ。神木さん、くつろいでいってくれ」

最後に笑顔で言ってくれた佐藤雅人さん。今さらだけど、えりかに顔がそっくり。さすが親子。

「はいっ・・・ありがとうございます!」

私も笑い返すと、えりかが「それでは、失礼しました」といって、またドアを開けた。えりかが外に向かって手を差し出す。促された私は一礼しながら退室。