翌日、学校から帰ってきて、ふとそのノート

に目が止まった。

(書いてみようかな)

そう。私には忘れられない人がいる。何回も

何回も忘れようとした。それでもどうしても

忘れられなかった。砂時計がどんどんなくな

っていくように日が経つにつれて「好き」と

いう気持ちは減っていった。それでもその砂

時計が完全に下に落ちることはないんじゃな

いかとさえ思えてくるほどに「好き」という

気持ちが完全になくなることはなかった。

あれから2年が経った。