「お前も一時期怪しい時あったけどな」



澪和の頭を撫でている城津の様子を思い浮かべながら西条が言う。



「おやおや…」



そんな会話ばかりされ、まともな練習が出来ない毎日が続いた。



「あ、そういえば僕、今週末に旅行に行くことになりました」



思い出したかのように桐神が急に声を上げる。



「2泊3日なんですよ!しかも北海道!」



季節は夏。

この時期の北海道は丁度いい気温だろう。