「やめてっ!お父さん!! ねぇ!助けてよっぉ!!!」

妹の叫びに、私は足が動かなかった。

こわい。

誰が一番?

るりが一番こわい。


どうして私はこんなに…こんなに逃げるんだ


…っ。

泣きたいのは…わたしじゃないのに…。

「ひっ…ごめんっ…ごめんねっ…るりか…」


痛いくらいに唇を噛んで、布団に潜り込んだ。