「るりか!!」

そう下の階から呼ばれて、妹は表情を固くさせた。

今にも泣き出しそうな顔で、私の手を握った。

「今日…一緒に寝てもいい?」

きっと今日は、妹にとって怖い一日だっていうことが、妹にも分かるから…

「うん」

お気に入りのボロボロになったうさぎのぬいぐるみを、持っていた手から手放した。

そこにポツンと落ちるうさぎのぬいぐるみ。


…なんでこんなことに…?


「るりか!!早くしなさい!!」

なんで、瑠莉香なんだ…。

なんで、私じゃないんだ。


「…っ、ごめんっ…るりっ…」

そう言葉を投げたときには

「あなたっ!!やめてっー!!!!」


もう遅くて。

私はまた逃げただけだった。