「お姉ちゃん…」

いつからそこにいたのか、妹が心配そうな目で私を見つめる。

「るり…おいで」

妹の、志田 瑠莉香。小学生1年生

今年の春に入学したばかりの6歳。

「瑠莉香のせいだよね…」

「るりのせいじゃないよ」

親がこうケンカをしている理由が、自分だと最近言い出した。


「だって!!…瑠莉香がわがまま言ったから…」

「…」


もうすぐで、瑠莉香の誕生日。

瑠莉香は、うさぎの大きいぬいぐるみが欲しいと言った。

お母さんはいいよと答えたが、お父さんが高いし今そんなの買ってる暇はない。と言い張った。


そっから、家庭の話やら経済の話、仕事の話。

どんどん広がって、ふたりが顔を合わせれば、すぐケンカになる。

それを妹は知っている。


今日もまた…