「まぁまぁ・・ それより、早く行かないと花火始まっちゃうよ?」

とりんがふたりの間にはいった

「姫花、行こうか?」

と言い日向はひとりでドアのほうへ歩いて行ってしまう

「ちょ、ちょっと待ってよ! 」

姫花はあわてて日向を追いかけていった

姫花と日向は手を繋いで歩いていた

二人で歩くという行為自体をそうないことだったので、それだけで照れてしまう

会話がなくても、ふたりでいるという時間がただ、心地よい

「ね~ ヒナ 屋台とかあるかな?」

「屋台か~ 日本での定番は何かな?」

「定番? ん~ わかんないよ? 私も初めてだもん!でも、夏と言ったら、カキ氷だよね?」

「あ~ アイスね!」

「カキ氷とアイスは別物だよ?」

ふたりはくだらないことを話しながら、神社に向って歩いていった

小さな神社の夏祭り

出ている屋台も

金魚すくいにたこ焼き、そしてカキ氷・・・ 婦人会のバザーが隅の方で近所の主婦に人気のようだった

「やった! ヒナ! カキ氷あるじゃん! 買っていこう!」

姫花は屋台を見るなり、一直線に進んでいく

そんな姫花の後姿を日向は微笑みながら追っていった