「……なんかあったの?」
「え!?い、いや……っ」
言えるわけないじゃん!
初恋にドキドキしすぎてうまく話せる自信がないからなんて!
「ご、ごめん…ちょっとナルちゃんに呼ばれてて……」
「ナルちゃん?」
「あ、と、友達っ」
「ふーん」
ごめん、ナルちゃん……。
「…っ!」
言い訳に使ってしまったことを心の中で謝りながら、チラリと顔を上げるとちょうど彼と目が合ってしまう。
「……やっぱなんかあっただろ」
「え……っ、」
疑わしい目を向けたと思うと同時に、さっきまでは頭1つ分上にあったはずの彼の目線が、気づけば同じ高さに迫っていた。
「っ…っ、」
ごうもん!何これ、耐えられないよ!
「あ、あの……チョコくん」
「ん?」
「ち、近い……よ…」
「え……」
「「…!」」
至近距離で合う視線に、お互いの頬が染まっていくのがわかる。