「はぁ……あー!モヤモヤするっ!」


録画していたお笑いの特番を見ていた私は、一言盛大に零すとパジャマ姿のままソファに寝転んだ。


気にかかっていたのは、今日のチョコくんのあの言葉。


『…そんなやつ、俺の周りにはいなかった』


「んむぅ………」


「1人で唸って、どうしたの?」


「あっ、お姉ちゃん!おかえりー!」


「ただいま」


いつの間にか頭上に現れてふっと微笑を浮かべていたのは、6歳年上の私の自慢のお姉ちゃん。


「千紗(チサ)お姉ちゃん!カフワのチョコ、買ってきてくれた?」


「もちろん。可愛い妹に頼まれたら、お姉ちゃんは断れませんよ」


「さすが!私の自慢のお姉ちゃんっ!」


「もう、現金なんだから」


「えへへっ」


お姉ちゃんの行きつけの喫茶店、カフワの店主が作るチョコはとても美味しくて私は大好きなのだ。


「んんー!美味しいぃ……」


大好物を口に含んで顔を綻ばせていれば、お姉ちゃんはそんな私を見てクスッと笑った。