「この前私、ショコラ・エテルニテのファンって言ったでしょ?

もう1度食べたいんだけど、私のお小遣いじゃ全然食べれないし…だからチョコくんに作ってもらえばいいんだと思って!」


「は?ちょ、待て待て待て。どう考えたらその結論に至るんだよ。
第一、あの店は俺の親がやってるだけで俺は関係ないって言っただろ。だから俺はあの店のチョコは作れない」


「作れるよ!チョコを作ってるのってお父さんでしょ?」


「……そうだけど」


「だったらお父さんに作り方を教えてもらえばいいじゃない!」


「はっ?」


何バカなことを言ってんだ、とでも言うような顔を向けてくる彼に、私は身を乗り出して続ける。


「だから私に、チョコを作って!バレンタインにくれればいいから!」


「……頭が痛い。お前、バカなんじゃないの?」


「えへへ、よく言われる!」


「褒めてない。ていうか、お前にそんなことして俺になんの利益がある?なんもないだろ」


「この話はなしだな」と言ってまた教室を出て行こうとする彼を、私はまた引き止めた。


「いい加減ウザいんだけど…」


「バラす」


「は?」