『龍一郎、聴勁を!』

「やってる!」

傷の痛みに歯噛みしながら、龍一郎は怒鳴る。

…微細な振動さえも、伝わってこないのだ。

伝わって来たと思ったら、既に体を斬られている。

振動よりも速く、斬撃が襲ってくる!

3割4割の速度では、女王の速さには追い付けないという事か。

「禿鷲…」

呼吸を荒げながら、龍一郎が言う。

「8割…いや、全力だ」

『馬鹿な』

禿鷲が驚愕する。

『人の身の貴様に、耐えられる訳がなかろう』

「うるせぇっ!」

龍一郎は吠えた!

「負けられねぇんだよ!」