きなこは毎日、
私の病室に来る。
ただ、私の机に座って、
尻尾をユラユラと動かすだけ。
きなこといると、
世界が違って見えた。
いつもいつも、
したばかりを向いているのに、
きなこが高いとこばかり歩くから、
視線が自然と上へ行く。
その時、知った。