―翌日…
「綾香!ほら!おまじない試してみたんだよ!」
お昼休み、私は綾香に絆創膏を貼った薬指を見せた。
「本当に?叶うといいね、朱香♪」
「うん!」と私は大きく頷いてみせた。
「朱香ゴメン。ちょっとお手洗い行ってくる」
「うん」
綾香が教室から出ていって、私は薬指を眺めた。
と、その時―…
「どしたの指、けが?」
私の後ろから少し低めの声がした。
まさかと思って振り向くと…大好きな佐藤くんが立っていた。
「あ…えっと…けがって言うか…」
「?けがじゃないの?」
佐藤くんが顔を近づけてくる。
私の頭はパニック状態…
「う…うん!」
「そっか。良かった、けがなんかしたら心配するんだから…」
―えっ…?