「ねぇ、朱香。よく効くおまじない、教えてあげようか?」


「へ?」




私、斉藤 朱香はお弁当の卵焼きを口に加えたまま、目の前に座る親友の綾香を見つめる。



今の時間はお昼休み。


皆がワイワイガヤガヤしている中で、いきなり真剣に言い出すから驚いてしまった。



「おまじないなんか効かないよ…。」



「そんなことないよ!このおまじないは本当に効くんだって!」



「ほら」と言って、綾香は読んでいた雑誌を私に見せる。




「“おまじない特集”?」



「うん!これで大半の人が両想いになったんだよ!」




…本当かなぁ?