「そうや!ある言葉は人を陰にするが、ある言葉は陽にもする。言葉には、陰陽の2つの力があるんやってよ」


「へぇ〜すごいですね。陰と陽ですか〜」



「そうや。例えば【火】と言う言葉は、どっちやと思う?」




「え?...陽ですかね...」



「そうか。君にとっては陽かもしれへんが、...ある人にとっては陰や。」



「え?なんでですか?」



「君は火と聞いて何を想像したかわからないが、必ずしも、火という言葉が陽とは限らない。陰が正しい場合もある。」


「はぁ....」



「火という字は時には人の心が燃える。もしくは、何かの火がつくように、人の心に関わる火でもあるが、時に火は人の命を奪う、災害の火にも変わる。」


「あ、そうですよね....」




「ようはな、言葉の陰と陽を決めるのは自分やない、相手なんや。だから、ある人にとって俺の書く言葉は陰かもしれないが、ある人にとって陽なら嬉しいやん」



「そ、そうですね笑」


「自分の書いた言葉が、陽に変わる瞬間は、たまらんぞ〜。お前もいっぺんやってみぃや〜」




「は、はぁ...あ....でも才能ないんで笑。あ、あの〜友達が待ってるんで、い、いきます笑。あの、頑張って下さいね」



「おう、あんちゃんもな〜!あんちゃんに陽あれ!!」




と、その場を去る僕。