「おい、そろそろ起きろデブ」


んん、ふああぁ。。


何?もう時間なの?もう少し寝ていたかった




ゴホゴホッ










「少しは体調良くなったか?」


吉岡くんはカーテンを開けて体温計を渡してくれた。

「ありがと、測ってみるね」



そういえば私、さっき変な夢を見たような...

吉岡くんが頭を撫でてくれる夢...



だめだ、今思い出すと赤面しそうっ!やめよやめよっ!!


私はなるべく目を合わせずに体温計を受け取った。





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たったの30秒が今はこんなに長く感じる。

早く!早く鳴って!!


顔をあげて吉岡くんを見ると、吉岡くんはずっと私を見てた。

「な、なに?」



「藤田……お前さ……」

真顔、少し怖い。




「頭にはっぱついてるぞ」





.......え?









吉岡くんはそう言ってお腹を抱えて笑った。

それはもう盛大に。


「あはははは、やばいやばい、おもれえ!!はははは!!」





なっ!!












なんて酷いやつ!!!!






吉岡くんは顔が真っ赤になるほど笑ってた。




私は怒りで顔が赤くなるっつーのっ!!!


____ピピピピーッ____



私は体温計を見て確かめた。





37.8℃



うーん、ちょっとはさがったか。


ゴホゴホッ





「どう?熱下がってた?」

「うん、ほら」



私は吉岡くんに体温計を見せて渡した。



吉岡くんのさっきのバカ笑いは治まっていた。
ただ少しまだニヤニヤしながら聞いてきた。


「まだ熱あるな。 6限目、出席すんの?」



いつまで人を馬鹿にしてニタついてるんだ、この野郎。