約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)



戦い始めて四日目。
前夜に届いた将軍からのお言葉に陣地には活気が戻っていた。


どれだけ必死に手当てをしても、負傷者は減ることがない。
戦うたびに銃弾を身に受けて、救護室に担ぎ込まれてくる。


何とか一命をとりとめたもの助けることが出来なかった命。
戦争と言うものの愚かさを強く実感せずにはいられなかった。


「花桜ちゃん、いつも手伝ってくれてありがとうな。
 先生らも助かってるって喜んでたわ」

そう言って、突然姿を現すのは丞。

「丞……帰ってきてたんだ」

「まぁ、またすぐに出掛けるけどな。
 副長に報告に」

「そっか……。
無茶しないで……」



取り留めのない話をして、笑って送り出そうって思ったのに
何故か涙が溢れ出して、私は顔を俯か【うつむか】せる。


そんな私の頬に両手を添えて、ゆっくりと私の顔を持ち上げると次の瞬間、
丞の唇が私の唇に触れた。



抱かれるような形で烝に包まれて過ごした僅かな時間。



「さてっと、わいの充電も完了や。
 何、鳩が豆鉄砲くらったような顔してんねん。

 花桜ちゃんは笑ってる方がえぇ。
 わいは、そんな花桜ちゃんの笑顔に惚れてもたんやなー。

 あの日、わいの頭上に降ってきた時から」



丞は出会いの時間を思い出しながら、クスクスっと笑ってた。


そう……。
あの日、私はお仕事中の丞の頭上に降り注いで邪魔をして助けてもらった。


あの日から丞は、私をずっと支えてくれた。
丞が気にかけてくれたから、はぐれてしまった瑠花とも舞とも再会することが出来た。

居場所のなかったこの世界に、居場所を作ってくれた。