携帯を置いた傍の石段に少しずつ増えていく石ころ。



ただ私が今願い続ける思いは一つ。




花桜、どうか全ての試練を乗り越えて、
私たちが待つこの時間に戻ってきて。





親友(とも)の無事をひたすら続ける時間の中で、
風と共に雨の匂いが広がり始める。



ゆっくりと近づいてくる遠雷の音に、
心が落ち着いてくる私が存在した。








花桜……、
もうすぐ逢えるね……。





待ってるよ。
ただ花桜と会える刻(とき)を信じて。