約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)





ねぇ、鴨ちゃん……。
鴨ちゃんは私の戦の背中を押してくれますか?




「……わかった……。

 だけど、その前に花桜のお祖父さまとも連絡をとっていいかな?」



何度かの深呼吸をした後に私がゆっくりと告げると、
ママは何事なのかしら?って言う不思議そうな顔を見せたけど、
パパは頷いてくれた。


その日、私は学校に欠席の電話をパパにして貰って、
パパとママと三人で、山波家へとお邪魔した。


朝のお祖父さまとの電話で、
総司も敬里として通う学校に欠席連絡を入れたようで、
私たち家族をお祖父さまと一緒に迎え入れてくれた。



「いらっしゃい、瑠花さん。
 ようこそ、お越しくださいました岩倉ご夫妻。

 どうぞ、中へお入りください」


お祖父さんが出迎えてくれた先、
案内された場所は秘密のある鏡の部屋。


鏡は銃撃戦を繰り返す映像を流し続けていて、
私は慌てて、その鏡の方へと駆け寄った。


「どうなってるの?
 花桜は?」

「山波まだ土方さんの傍だよ」


さらりと呟く総司。


「瑠花さん、敬里、敬丞、三人もこちらへ」


そう言って、お祖父さまに呼ばれた私たちは、
お祖母様がお茶を用意してくれたテーブルへと着座した。


「さぁ、瑠花さん。
 戦の舞台は整いましたよ。

 その前に、覚悟を決めましょうか?
 奥で、紅を指してあげましょう」


お祖母さまの一言で私は、
その場から奥の部屋へと移動する。


両合わせの貝殻の中に閉じ込められた紅を、
水を含ませて筆でゆっくりと溶いて唇へとのせていく。


赤い紅をした私が鏡に映ったとき、
幕末での私の罪の数々が蘇るとともに、
覚悟を自分自身に言い聞かせる。
  


「瑠花さん、覚悟はさだまりましたか?」


そう問いかける、
お祖母さまの言葉に私はゆっくりと頷いた。


「お祖母さま、鏡に触れても宜しいですか?」


そう言うと、今も幕末風景を映し出し続ける家宝の鏡を、
私の手へと握らせてくれた。

ゆっくりと立ち上がって、再び隣の部屋へと移動して
自分の席へと着座する。


気が付くと久しぶりの花桜の両親も揃っていた。


「ご無沙汰しています。
 おじさま、おばさま」

「瑠花ちゃんには、いつも花桜が迷惑ばかりかけるね」

そんな風に、おじさんは私に言葉を返す。