ホッとする……。


そんなことを想いながら、
現代に戻っているかもしれない瑠花に想いをはせてみたり、
今も何処かで頑張ってる舞や敬里の無事を祈る。


私たちの時代、現代での当たり前の生活が当たり前ではないことを知った私。
今の私たちの生活は、過去の歴史の中で精一杯生きていたはずの人たちの、
犠牲の上で繋がっているのもなのだと強く実感した。



足湯の僅かな温もりを感じて、川のせせらぎを聴きながら、
空を見上げる時間は、私にとって凄く優しい時間だった。



30分ほど時間が足湯を楽しんだ後、
再び土方さんの元へと戻ると、最初と同じようにお水を手渡す。


脱水から守るように体を潤した後、
再び、元来た道を時間をかけて移動する。


旅館に戻った後は、再び傷口の手当をやり直す。

一通りの日課が終わった後は、
また土方さんは各地の情報収集の報告を待って、
自分の中で状況を消化する時間が続いた。


そんな暮らしを続けていたある日、
土方さんの元に驚くような報せが届いた。


松平容保公が家督を譲った新しい藩主。
容保公の養子、喜徳【のぶのり】様が白虎隊を率いて福良へと到着し、
滞在期間内に新選組にも拝謁の機会が許されるというお知らせだった。

その知らせを受けて喜びを感じているらしい土方さんは、
自らは拝謁することは出来なかったけど、
自らも出来ることをやりたいと少しずつ動き始めるようになる。


っと言っても、
宿陣している味方の元へと出向いては人々の力を鼓舞させるために
差し入れを初め、出来る限りのことをする。

そんな日々。



土方さんが宿陣に出向いて、皆と会話を交わすだけで、
少し活気づくような雰囲気も感じられた。


そして会津若松城へも登場して、覚王院義観という人との面会が行われた。



その後も旧幕府軍の人と面談して銃のことで協議するなど、
慌ただしく過ごす日々が続いた。


そして舞と敬里が京から持ち帰ってくれた、
近藤さんの遺髪と土方さんは対面した。


遺髪を受け取って握りしめたまま、
静かに部屋で一人過ごした土方さんは、
翌日、何処かへと一人で出掛けて行った。


戻ってきた後、私たちは容保公が許してくださったその場所に、
近藤さんの遺髪を静かに埋葬した。