「行く場所はあるのか?」






「行く場所はないけど?」






確かに何も考えてなかったな…とにかく遠くに行けたらって思ってたから






「そうか…ついてこい」






「え!?どこにいくの?」






「お前、まさか野宿する気かよ…」






「そういうわけじゃないけど…」






とりあえず、行くだけ行ってみよう






そうして着いてきたのは、さっきの海辺から少し歩いたところにある高層マンションだった






どこからどう見ても明らかに高級そう






家賃いくらくらいかかってるんだろ






「ここの最上階だ」






最上階って何階なんだろ…すごく高い…






最上階はとても高くてバスを降りたキラキラした街や海が一望できた






最上階のフロアにはドアが一つしかなくて、ワンフロアまるっとこの男の人の部屋なのかと少し恐ろしくなった






「話は部屋でしよう」






「うん」