私は耳を疑う。


「嘘だ…。
だってさっき言ってたじゃん。
一緒にいるのはもう限界だって。
お試しで付き合うのは終わりにするって」


聞き間違えだとは言わせない。
私が大好きな小林くんの言葉を聞き間違えるはずなんてないもん。


「───だから、あれだよ。
お前の真似してスマホに例えるなら、プラン変更だ」


小林くんは少し恥ずかしそうに目を逸らす。


「は?」


私は首を傾げて間抜けな声を出す。
配役は違えど、まるで私の告白のときのデジャブだ。


「だから!
お前のこと好きになりすぎて、 もうお試しのままじゃ嫌だってこと!」


小林くんの言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡って、なかなか形にならない。


もしかして。
限界って言ったのは今のお試しの関係で。
これからはちゃんと付き合いたいと思ってくれてたってこと?


「───プラン変更って、何それ。
分かりにくいにも程があるよ」


「…芦田にだけは、例えのセンスをとやかく言われたくねーよ」


小林くんはまるで不本意だとでも言うように口を尖らせて続ける。