今、小林くんは何て言った?


「───芦田がめちゃくちゃ俺のこと慕ってくれてるの分かるし。
その分俺がこんなんじゃ申し訳ないっつーか」


それってどういう意味?
こんなんってどういうこと?
私は今のままで十分満足だよ。
だからお願い、付き合うのやめる、なんて言わないで…。


「だから、もうお試しは終わりにする」


小林くんの声に、目の前が突然真っ暗になって。
私は思わず持っていた鞄を落としてしまった。


「───芦田?!」


その音で私に気付いて小林くんが声を上げる。


「ちょっと待って、今の…」


彼が何か口を開こうとした瞬間、私は思わず駆け出していた。
これ以上、何も聞きたくない。