遠くのほうから話し声がしている。
時折、男女の楽しそうな笑い声が耳に届き目を覚ました。
薄暗い部屋の中、身体にはいつの間にか毛布が掛けられていた。
「あまり大きな声出さないで。マキセが起きるじゃない」
「ずいぶん待ってたんだ、起こしてやればいいじゃねぇか」
「そうだ、何なら俺が起こしてやろうか」
「お前じゃ、寝ぼけたマキセに反撃されてボコボコにされるのがオチだ」
「寝込み襲うしか敵わないからな」
聞き覚えのある声は近所に住む、気のいい男たちのもの。
「やっぱ姫の目覚めは王子様のキスだな」
「……誰が姫だ」
黙っていたら止めどなく続くであろう会話を止めるべく、起きたマキセは玄関口で話している彼女たちの元へ姿を現した。
「よぉ、マキセ。久しぶりだな」
「お前ら、うるせーよ」
「久しぶりの友人にそう言うか?!」
「友人なら気を使え」
結局、日が完全に暮れてから彼らは帰って行った。
彼女と二人になってしまうと妙に静かでぎこちなく感じてしまう。
「……何が食べたい?」
「ネシスの手料理」
「答えになってないよ」
小さく笑いながら、長身のマキセを見上げる。
「…おかえり」
「ただいま」
そのまま台所へと消えていく彼女を見送り、再びソファに腰を下ろした。
時折、男女の楽しそうな笑い声が耳に届き目を覚ました。
薄暗い部屋の中、身体にはいつの間にか毛布が掛けられていた。
「あまり大きな声出さないで。マキセが起きるじゃない」
「ずいぶん待ってたんだ、起こしてやればいいじゃねぇか」
「そうだ、何なら俺が起こしてやろうか」
「お前じゃ、寝ぼけたマキセに反撃されてボコボコにされるのがオチだ」
「寝込み襲うしか敵わないからな」
聞き覚えのある声は近所に住む、気のいい男たちのもの。
「やっぱ姫の目覚めは王子様のキスだな」
「……誰が姫だ」
黙っていたら止めどなく続くであろう会話を止めるべく、起きたマキセは玄関口で話している彼女たちの元へ姿を現した。
「よぉ、マキセ。久しぶりだな」
「お前ら、うるせーよ」
「久しぶりの友人にそう言うか?!」
「友人なら気を使え」
結局、日が完全に暮れてから彼らは帰って行った。
彼女と二人になってしまうと妙に静かでぎこちなく感じてしまう。
「……何が食べたい?」
「ネシスの手料理」
「答えになってないよ」
小さく笑いながら、長身のマキセを見上げる。
「…おかえり」
「ただいま」
そのまま台所へと消えていく彼女を見送り、再びソファに腰を下ろした。