得体の知れ無い、凄まじい引力。
ケルベロスは、なおも笑い続ける。


「貴様らに、生きる道はない…さぁ、どうする?誰から痛め付けてやろうか?」

「許さない!ケルベロス!」

「アリア!!」


アリアは、ケルベロスに向かい、印を結ぼうとする。
だけれど、その前にレヴィとジャックが立ちはだかった。


「いっつもお前だけに負担を掛ける訳にはいかない、ぞっと…」

「そうだよ、アリア。キミにばかり負担は掛けられない」


ジリッとジャックの靴が地面の砂利をゆっくりと蹴り潰す。
レヴィは、スッと軽く飛び上がり、近くの木に手を掛けていた。


「レヴィ、ジャック!!気を付けて!」

「アリア様、わたくしも参ります!」

「?!!ウーゴ?!」


そういうとウーゴはサッと闇に紛れて、どこかに消えてしまう。

最近の彼女の動向には動揺されられるものがあった。


…彼女は、私の知っているウーゴではない…?


アリアの心に、沢山の疑心が生まれた。
けれども、生まれた時から一緒だった彼女を失いたくない、そんな気持ちからアリアの中でその疑心はなるべく蓋をしたかった。