「お前は…?」


アリアは、なんとか震えそうになる声を、トーンを落とすことで抑えて、そう尋ねた。
それに対して、未だ笑いを止めることない化物は、ギラギラとした6つの瞳でアリア達を見つめながら、さも楽しげに答えてくる。


「オレか?そんなにオレの名が知りたいか。…オレは、魔神カオス様に使えし番人ケルベロス。この道は既にオレの手中にある。貴様らに最早逃げ場はない。ここで死ぬゆくがいい。…アリア、それがお前のサダメ…」


歪んだ口元から、無数のよだれと共に、しゃがれた声が漏れて出ている。


気色が悪い。


アリアは瞳を背けそうになったけれど、そこにルークが持っていたはずの、ナイトリーダーの証であるバッチを見つけ、瞳を見張った。