「どうか、早く…治って…」


そう呟く彼女の言霊には、誰の心も浄化されるようだった。


「変ね…ここまで残虐な匂いがするのに、敵の気配がして来ない…」


これまでとは、違う、何か…。

アリアは、それをすぐに察し、警戒感を顕わにした。


水を打ったような静けさ。
それに反して、ぐにゃぐにゃと崩れていく世界。
アリアは、すぐに印を結ぼうとするけれど、それをまるで妨害するかのように、ウーゴが叫んだ。