ユリナ side.

「あのさ、ユリナちゃんのこと好きなんだよね。俺と付き合ってくれない?」
「無理。」
「そっかー。まぁわかってたけどね。どうして男嫌いなの?」
「あんたには関係ない」

そう言ってあたしはその場を離れた。

あー男ってめんどくさい。
なんで名前も知らねぇやつに、あたしのこと教えなきゃなんないの?

あたしは男が大嫌い。
ただ何かの目的のために、簡単に好きと伝え、用件が済んだら、もう好きじゃなくなったと伝える。

今までで見てきた男は、そんな奴ばっかりだった。
大体あたしに告白してくるのは、そんな男ばかり。

自分で勝手に自信を持って、そして目的を持って近づいてくる。

そんな奴、話さなくてもわかる。
だから、はっきり言う。無理だって。

曖昧な答え方したら、離れてくれないから。

大切な昼休みを壊されたあたしは、今あまり機嫌が良くない。
そんな時に話しかけてきた子。

「ユリナー!寂しかったよぉー!」

ぎゅーっと抱きついてくる。

「ついさっきまで一緒にいたじゃん。」
「あたしはずっとユリナといたいのー。」

彼女は森 結愛(もり ゆいあ)

あたしの中学からの友達でずっと一緒にいる。
親友っていうのかな?
気を使わなくて済む友達。

「で、また告白?」
「んーまぁ。」
「はーぁ、いいなぁモテるって!どうせまたお得意の、無理、でしょ!」
「そーだけど。」
「もーユリナは優しくないなー!それじゃあ一生彼氏できないよー!」
「別にいらないから。」

彼氏なんていなくても生きていける。
男なんてあたしの人生にはいらない。

自分の席につくと、あたしの隣の席の嶋田(?)って奴がため息をついていた。

「はぁ…」
「なに、ため息?」
「う、うわぁ…!」

なんだコイツ。あたしを怪物扱いのように驚いて。

「い、いや、別になにもないよ!」
「あっそう。」

よくわからない奴。