「瑠斗、どうしたの?」


「植本達来れなさそうだって。ここ二人分でいいみたい」


「そっか」


杠は一瞬嬉しそうな顔をして通路に出ていく。

と、通路でうろうろと場所を探している子供連れのお母さんに話かけて隣のスペースを渡した。
子供は嬉しそうで母親も安心している。
そんな二人よりも心底ほっとした様子で「良かったですね」なんて声をかけてる杠。


あー、何でそんな他人ばっかり…。
学校行かない事情が精神面にあるなら相談してくれたら全然乗るのに、自分のこと後回しにする癖があるから…。