「俺が行く!トイレもついでに行きたいし!」


「…植本が行ってくれるから大丈夫だよ、いこ」


これ以上拒まれるのも嫌で植本の助け舟に乗っかって杠の手を引いた。
杠は優しいから手を掴んでも「嫌」とは絶対に言わないと知っててやってる俺は最低だけど…。
そうでもしないと杠がどっかに行っちゃいそうで、怖いとなんの根拠もなく思っていた。


「席、どの辺がいい?」


「後ろでいいよ。」


「折角の生crushersなのに?」


杠は小さく頷く。そして「声が聴けたらいい」と笑った。その笑顔に胸打たれたのは言うまでもない。