「言おうと思って、ずっと言えなかったけど、

今なら言えそうだから言うね。

私ね、桂碁のことがずっと好きだった。

これでも、自分の気持ちに嘘は無いつもりだよ」

桂碁は驚きのあまり声が出なかった。

「…本気？」

「もちろん。本気じゃなかったら桂碁に告白なんかしないはずでしょ」

と真紗実は一気に言った。

そして一息ついた後また続けた。

「それで、桂碁の気持ち、聞かせてくれる？」

桂碁は現在、華のことが好きだ。

この気持ちに嘘は無く本気で彼女のことを想っている。

桂碁には、そう言い切れる自信があった。

そしてまた真紗実の方も本気だと言った。

あの目を見れば、誰だって本当のことだと思うだろう。

「ありがとう。でも、ごめん。

今は、真紗実とは付き合えない。だって俺は…」

華のことが好きだから。

そう続けようとしたとき真紗実の口から出たのは桂碁を驚かせるものだった。