「やよい?」


「どうした」
 

誠と美愛が不思議そうに弥生を見遣ると、弥生は正座したまま手をついて方向を変え、架の方を見た。


「? 母さん?」
 

母の突然の行動に架がきょとんとした。


「架……今まで黙っていたことで、知っているのは誠と美愛くらいの話よ。

――あなたの父親は、誠じゃないの。木野馨(きの かおる)。わたしの恋人よ」