「――はい」


「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
 

黎が肯き、真紅が謝ると、誠は「なに」と軽く首を横に振った。


「子どもはいつまでたっても子どもだ。可愛いことに変わりはない。その子が選んだ相手も、大事だよ」
 

瞼をおろして優しく語る誠。隣の美愛の、穏やかな表情。


そして、更にその隣の弥生は唇を引き結んでいた――と、思ったら。


「――誠、美愛。わたしも決めたわ」