「俺も同じ気持ちです。真紅以外無理なんです。勘当された身ではありますが、誠さんと美愛さんが親であることは変わりません。真紅との結婚をゆるしてください」
 

黎も同じように頭を下げる。


架が何か言いたげに腰を浮かせたが、誠の声が先に発された。


「……同じことを、考えるんだね」
 

顔をあげて。誠に促されて、真紅と黎は頭をあげた。


「一緒にいるためなら家も捨てられる、か……。私には無理だったことだが、二人なら真っ直ぐその道を選ぶんだろうなあ……」


「誠さんは反対に美愛さんを連れて来たでしょう」


「まあ、その通りなんだが」
 

苦笑を噛み殺す誠。