「それ、買うのか?」

セイくんは、あたしの持ってる本をチラッと見た。

「ううん。カフェでお茶でも飲みながら読もうと思って。」

「ふーん。じゃ、行こーぜ。」

「え??」

慌てて後についていくと、セイくんはカフェコーナーでメニューを見始めた。

「お前、何にする?」

「えーっと。あたしはソイラテ。」

その答えを聞くと、セイくんは自分のアメリカーノとあたしのソイラテを一緒に注文してくれた。

「あ!お金....!」

あたしが急いで財布を出そうとすると、

「こーいう時ぐらい奢られとけって。こんな機会、滅多にねーだろ?」

セイくんは、からかうように言った。

「そ、そんなことないもん!」

ついまた可愛くない事を言っちゃって、あたしはとっさに手で口を押さえた。

そんなあたしをクスクス笑いながら見て、

セイくんはあたしの頭にポンッと手を置いた。

「そう意地張るなって。」

そう言うと、セイくんは窓際の席に歩いていった。


ドキン.....。 ドキン.....。

また頭ポンポンされちゃった...。

あんな笑顔見せられてこんなことされたら、

もっともっと好きになっちゃうよ。

セイくんのバカ.....。


そんなことを思っていたー

次の瞬間ー


周りの女の子達が、セイくんをチラチラ見ていることに気がついた。


「うわー!あの人かっこいー!」

「モデルさんかなぁ?」


そんな声がヒソヒソ聞こえてきて、

改めてセイくんのすごさを目の当たりにした。