えーっと.....。

ガトーショコラ....っと....。

あ!!

あった!!

あたしは置いてあった台に登って、必死に手を伸ばした。

「あともうちょっとなんだけど.....。」

大きく背伸びをした瞬間、不意に後ろから手が伸びてきてその本が目の前に見えた。

「??」

なんで??

不思議に思って振り返ると、そこにはセイくん!!


「!!!」


驚きすぎて声がでない!

何も言えず口をパクパクさせていると、

「これだろ?チビだなお前。」

セイくんはそう言いながら、クスクスと笑った。

「え?綾瀬くん?!
どうしてここに?! 2人は?!」

「あー。あいつらとはバス停で別れた。
邪魔するのもアレだしなーって。
ここへはただの寄り道。」

「そうなんだ...!」

ものすごい速さでドキドキ脈打つ胸をごまかすように、あたしは取ってもらった本をギュッと握りしめた。