ーそして

三島くんの部活終わりを待ち、3人で帰ろうと歩き出したその瞬間ーー


「アキ!!」


ドキッ!!


その声に、胸が大きな音を立てた。

「あ、セイじゃん!って、アレ?お前ひとり?めずらしいな。」

「なんか、オレと二人でどーしても帰りたいって駄々をこねだした女がいてさー。
めんどくせーことになりそうだったから、ひとりで帰ることにした。」

「ったくお前は....。またかよ。」

淡々と言ったセイくんに、三島くんは呆れ気味にそう言った。


「チッ.......めんどくせーのが来た。」

突然、セイくんが校舎の方をチラリと見ながら目を細めた。

セイくんの視線の先を見てみると、すごい勢いで歩いてくるミカ先輩の姿。

「ちょっと!セイ!」

「セイってば!!」

ものすごい形相のミカ先輩。

「なに?」

気だるそうに答えるセイくん。

「なにって.....。
さっき、今日は誰とも帰らないって言ったじゃない!」

「は?まだ帰ってねーし。」

「じゃあ、この子たちは何?!」

ギロッッ!!

ミカ先輩にすごい目つきで睨まれて、あたしはビクッと固まった。

「コイツは俺の事好きじゃねーし、それにもう一人はアキの連れ。」

顔色ひとつ変えずに、淡々と言葉を返すセイくん。

「ちょっと!セイのこと、ほんとになんとも思ってないんでしょうね?」

ミカ先輩はあたしの方を向くと、念を押すように聞いてきた。

「は、はい!」

あたしは返事をしながら、反射的にコクコク頷いた。

ミカ先輩はその返事を確認すると、振り返りざまにまた睨んで戻っていった。