だったら、そうだ。
今のうちにでも。
楽しんでおかないと。
「…よろしくお願いします」
「ああ。ちゃんと、お前の事護るから」
それはきっと、仕事としての文句で。
ドキッとするような台詞じゃないはずで。
それでも、今、ふいに言われた言葉に思わずドキリと胸が鳴った。
きっと、なんの気もなしに言った言葉。
きっと、この前の件を気にして放たれた言葉。
わかっているのに、なんでだろう。
こんなに胸がドキドキとうるさい。
「楽しみだな!水着、用意しなくちゃ」
「自宅に在るのか?必要なら取りに行くが」
「う、うん。言えばお父さんがある場所知ってるしセットにしてしまってるから出してくれると思う」
「そうか。じゃあ、お前の父親に連絡を取っておけ。時間を見つけて取りに行く」
「ありがとう…」
優しい鹿島さんて、やっぱなんか変だ。