でも、確かに。
吉沢さんたちは、本当に命がけで護ってくれてるんだと思う。
リスクはおかしたくない気持ちはわかる。

安全な場所にいてくれれば楽だもの。



でも、でも、私は。
ごく普通の女子高生で。
ただ幸子お嬢様に似ていただけのただの身代わりで。



「それに、鹿島を近くに置くって。女の私の方がいいんじゃないの?」

「……少しでも、不満な気持ちがあるお前にあいつを護ることはできない」

「なっ…!」

「今回の件で、俺が一番それを痛感したからな。だから、お前に任せることはできない」




ピシャリと突き放すように鹿島さんが言った。
吉沢さんは黙り込んでしまう。
ここからでは表情を見ることはできない。


なんだか吉沢さんって……。



「…お前、」




ぼんやりと考え込んでいると不意に近くで声がした。
ハッとして顔をあげると鹿島さんが私を怪訝そうに見ていた。

し、しまった。
逃げそびれた!